物件選びのポイントとして、方角を優先される方も多いのではないでしょうか。
日当たりがいいという理由から南向きの物件は人気がありますが、日当たりが悪く、冬は寒そうといったマイナスのイメージの北向きの物件をあえて選ぶ方は少ないかもしれません。
北向き物件にはデメリットももちろんありますが、実は北向きならではの良さもあり、ライフスタイルによっては北向き物件が向いている方もいます。今回は、敬遠されがちな北向き物件の住み心地と、より快適に暮らすための工夫を解説していきます。
もくじ
北向き物件のメリット
まずは、北向きの部屋の快適性に優れているメリットについてみていきましょう。
・家賃が安い
北向き物件は南向きに比べて人気が低いため、同じグレードの物件でも家賃が安く設定されていることが一般的です。そのため、費用を抑えて物件を選びたい方にとって魅力的な選択肢です。
・勉強や読書、趣味の部屋に最適
北向きの部屋は柔らかな光が長時間続くので、直射日光の眩しさを気にすることなく、勉強や読書、趣味に打ち込むことができます。
・夏は涼しく、快適に過ごせる
南向きに比べて直射日光が少ないため、夏は涼しく過ごしやすいです。暑さが苦手な方には特に向いているポイントです。
・プライバシーを確保できる
北向きの部屋は、建物の背後や中庭に面していることが多く、外からの視線を気にせずにすみ、プライバシーを守りやすい点が特徴です。
北向き物件のデメリット
北向き物件に住んでから後悔しないためにも、あらかじめデメリットも把握しておきましょう。
・昼間も暗い場合がある
北向きの部屋は直射日光が入らないことから、昼間でも部屋が薄暗く感じられることがあります。
・湿気でカビが生えやすい
日当たりが悪いということは暗いという問題だけではなく、湿気がこもりやすいため、カビや結露が発生しやすい環境です。特にカビは健康を害するおそれがあるため、入念な対策を行いましょう。
・室温が上がりにくい
夏場は過ごしやいですが、太陽の光が直接入らないことから、輻射熱によって部屋が暖まる効果も得られないので、室温が上がりにくく、特に冬場は寒く感じることがあります。そのため、暖房器具が必要不可欠で、他の方角の部屋よりも多く稼働するため、光熱費が増えるケースもあります。
・洗濯物が乾きづらい
日当たりが少ないため、冬場や寒い時期は洗濯物がなかなか乾かない場合があります。室内干し用の設備や乾燥機を併用するとよいでしょう。
北向き物件を快適にする工夫
北向き物件にはデメリットがあるものの、工夫次第で、快適な住まいにすることができます。物件探しの段階でポイントを知っておくと、より対策しやすくなります。
インテリアに暖かみを取り入れる
北向き物件は日光が差し込みにくい分、室内が暗く冷たく感じがちです。
レイアウトする家具を明るい色で統一し室内のトーンをあげたり、暖かみのある素材や色合いを取り入れることで、明るく開放的な雰囲気を作り出せます。
木材を使った家具や、間接照明や暖色系のライトをを活用することで、暖かみのある空間を演出できます。
窓の断熱対策
北向きのお部屋は、冬場に寒さを感じやすいため、窓への工夫で熱を逃さないようにすることが重要です。
窓に断熱シートを貼ったり、カーテンやブラインドは遮熱機能のあるものにする事で、外部からの冷気を効果的に防ぎ、室内の温度を一定に保つことができます。
角部屋・高層階を選ぶ
角部屋は、2つ以上の異なる方角に面しているため、北向き以外の窓からも太陽光が差し込みます。
また、高層マンションの10階建以上の高層階であれば、周囲に遮るものが少なく、間接光で北向きでも安定した明るい室内環境を維持しやすくなります。さらに、高層階は風通しが良く、効率的に換気を行えるため、北向きの部屋でも快適な環境を維持しやすいでしょう。
内見をする際は、窓の配置や大きさを確認し、明るさをチェックしましょう。
室内の湿度を調整する
通気性がよくないと、湿度が高くなりがちです。特に梅雨時や湿度が高い季節には、定期的に窓を開けて換気をしたり、除湿器や調湿素材のインテリアを使用して、室内の湿度を適切に保つことが重要です。カビの発生も防ぐことができます。
北向き物件におススメのライフスタイルの方
ここまでの内容を踏まえて、ライフスタイルや好みによっては北向きの物件がおススメのケースもあります。
暑さが苦手な方
真夏でも室温が上がりすぎないので、暑さが苦手でできるだけ涼しい部屋で過ごしたい人にとっては、北向きは理想的です。冷房をつけずに過ごせる場合もあったりするので、エアコン代も節約できるでしょう。
家具にこだわりがある方
北向き特有の落ち着いた雰囲気を活かして、カフェのようなインテリアにしたい方や家具にこだわりがある方にも、北向き物件はおススメです。
直射日光が当たらないので、家具やフローリング、カーテンなどの日焼けを防ぐ事ができ、劣化を最小限にとどめてくれるでしょう。
日中ほとんど家にいない方
平日は仕事や学校に行っていて、休日はレジャーに出かけるなど、日中家で過ごす時間が少ないというライフスタイルの方や、プライバシーを守るために昼間でもカーテンを閉めている一人暮らしの女性などは、北向きの家に向いているかもしれません。
日当たりをそこまで重視しない場合、家賃が比較的安い北向きの物件を選ぶことで、予算を押さえることが可能です。
落ち着いた環境で暮らしたい方
北向きの部屋は直射日光が少なく、大通りに面していなければ、外からの視線や騒音も気になりにくく、比較的静かで落ち着いた環境を保てるため、リラックスした時間を過ごすことができます。
また、北向きの窓から見る景色は、逆光ではなく順光なので、建物や樹木に直射日光が当たるため、景色が鮮明に美しく見えます。
まとめ
敬遠していた北向きが、意外とライフスタイルや好みに合っている方もいらっしゃるかもしれません。北向きの部屋に住むデメリットは、工夫次第で解決可能です。
物件選びの条件は、立地や階数、周囲の建物などによっても変わるので、向きにこだわりすぎず、実際に足を運んで確認をしてみてから、自身に合った住まいを見つけましょう。