2022年2月28日

遺産を相続した時にするべき申告や手続きの方法とは?

身近な親族の方が亡くなり自分が土地や財産を相続した場合、相続人となり相続税の申告や名義変更など手続きをしなければなりません。「何をどうすればいいか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は相続税申告までの流れや相続が発生したらするべき主な手続きをご紹介します。

相続

相続税申告までの流れ

亡くなった人のことを「被相続人」、財産などを引き継ぐ人のことを「相続人」といいます。相続が開始( 被相続人が亡くなった日)すると、被相続人に関する様々な手続きや届け出をしなければなりません。ここでは、相続税申告までの流れを見ていきましょう。(参照):国税庁「相続税」

被相続人が亡くなり後1週間

・市町村へ死亡届提出
・取引金融機関へ連絡

2カ月

相続人と相続分の確定
遺言書があるか確認します。公正証書の場合は公証人役場で確認して謄本請求します。
被相続人の戸籍情報入手
相続人を確認するには市区町村役場で戸籍を収集し調べることができます。

3カ月

遺産継承の判断
相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つの方法があります。相続放棄または限定承認する場合は3カ月以内に被相続人住所地の管轄裁判所に申述する必要があります。
【単純承認】 プラスの財産もマイナスの財産も全財産を無条件に引き継ぐこと
【限定承認】 相続を受けた人がプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法
【相続放棄】 プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないという方法

4~9カ月

遺言書がある場合
・遺産の相続人や受遺者が指定されていれば、その内容のとおり遺産が相続されます。
・遺産の一部についての遺言書であった場合は、残りの遺産については、遺産分割協議が必要となり、遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺言書がない場合
法定相続人全員で遺産分割について協議しましょう。また、裁判所への調停・審判という選択肢もあります。

※法定相続人とは:民法に規定されている相続人となる人のことをいいます。亡くなった人の配偶者・子・父母・兄弟姉妹にその可能性があります。

10カ月

相続税の申告・納付
申告期限:被相続人がなくなったことを知った次の日の翌日から10カ月以内となっています。
どこへ申告するのか:被相続人の住所地の管轄税務署へ相続人共同で提出します。

名義変更や解約が必要な手続き

ここでは相続による名義変更について紹介します。相続により亡くなられた方の名義の財産を相続人の方が引き継いだからと言って、名義変更を行わなくてはいけない義務や期限はありません。しかし、名義変更をしないままでいると困るケースがあります。見ていきましょう。

金融機関の相続手続き

亡くなられた方の預貯金の口座は、一部の相続人が勝手に預金を引き出したりすることを防止するために、亡くなられたことを知ると金融機関はその方の口座を凍結します。

株式の相続手続き

金融機関に必要書類を提出しましょう。

自動車の相続手続き

名義変更しなければ、売却したり処分したりすることができません。

ゴルフの会員権

ゴルフ会員権は相続税の課税対象となります。ゴルフ会員権を相続するときは相続税評価額を計算しなければなりません。ゴルフ会員権は基本的に「共有名義で相続する」ということはできません。したがって、相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で誰が当該ゴルフ会員権を相続するかということを明確に決めておかなくてはなりません。

その他解約手続きが必要なもの

電話・クレジットカード・光熱費・NHK受信契約・生命保険・損害保険契約

不動産の相続登記

土地や不動産を相続して名義変更をせずに時間が経過し、相続したご自身が亡くなり次の相続が発生した場合、子や孫の代の相続人が増えて手続きが煩雑にします。また、最近話題となっている名義変更されずそのままにされた所有者不明土地や空き家が近年増えつつあります。長年にわたり適切な管理がされずそのまま放置されている場合が多く、建物がある場合は家屋の倒壊の心配や、自然災害が起きた時に所有者を把握することができず、対処が遅れる場合があります。土地を相続した後は忘れずに速やかに相続登記を行いましょう。
(参照):法務省「相続登記」

土地

まとめ

今回は相続についてご紹介しました。
相続税の申告・納付は10カ月以内と期限が設けられていますが、相続した遺産の名義変更には義務や期限がありません。しかし、そのままにしておくと土地や家、自動車などは売却などの契約ができません。相続というご自身の権利を大切にするとともに、子や孫のためにも相続後はなるべく早めに名義変更・解約手続きを行いましょう。