近年頻繁に耳にするようになった「50年に一度の記録的豪雨」や「特別警報」。
本来なら、数十年に一度の大雨を想定した時に発表される警報ですが、最近では日本各地で発表が相次いでいます。今年7月に熊本県を中心に甚大な被害をもたらした集中豪雨や、2019年9月に関東地方で過去最高クラスの台風15号などの被害は想像を絶するものでした。このような異常な自然災害が起きると、過去の経験に基づいて対策をしたとしても、想像を超える災害が発生したとき、現実的には、なかなか避難行動をとる判断や行動を移すことが難しいですよね。そこで、今回は「自分が住んでいる」または「これから住む予定」の土地が、どのような自然災害の危険があるのか、被災した場合、どの程度の被害をもたらすのかを示した「ハザードマップ」に注目してみます。
ハザードマップとは?
「被害予測地図」「防災マップ」とも呼ばれている「ハザードマップ」。
豪雨発生時の浸水リスクや、地震発生時の土砂災害リスクなどの被害予測範囲を「地図化」したものです。災害の発生の予想範囲・程度、危険箇所、避難場所、避難路、防災関係機関(役所・消防・警察・病院)の位置など書かれています。地図で示されているので、住民がその地域のリスクを認識して、いざという時に迅速に避難できるように作成されています。
どこでもらえるの?
紙面のハザードマップは各市町村において配布されています。お住まいの市町村の窓口へ問い合わせてください。
なお、こちらのハザードマップポータルサイトでも住所を入力するだけで手軽に検索でき確認できます。
ハザードマップの内容
各市町村ごとに作成されているので、ハザードマップのほとんどが市町村ごとの全体地図になっています。両面の1ページ構成になっている場合が多く、広げると、地域の地図が広がり、その中に被害予想や避難経路などが記されています。多くの色を使い分けて、被害状況を示すことによって、一目で自分が住んでいる地域の被害予測などが分かるようになっています。
種類があります
ハザードマップには6種類あります。
洪水・内水・高潮・津波・土砂災害・火山。自分が住む地域にはどの災害が起きる可能性があるのか確認しておきましう。
ハザードマップはどうやって見たらいいの?
ハザードマップを見慣れてないので、どのように確認すれば良いのか分からないという方も中にはいるのではないでしょうか。
ここで簡単ではありますが、ハザードマップの見方を一緒に確認していきましょう!
以下は、大阪府大阪市北区の水害のハザードマップです。
淀川の氾濫、内水氾濫による浸水と南海トラフ巨大地震による津波浸水が想定されています。なお、内水氾濫とは市街地内を流れる側溝や排水路、下水道などから水が溢れる水害を、「内水(または、内水はん濫)」と呼びます。
・浸水の深さは色分けされていて、多くの自治体で濃い色ほど水深が深いことを表しています。
・高さはメートル表示になっていますが、高さの想像がすぐに確認できるように、建物の階数を例えとして描かれています。0.5mでは床下浸水(大人の膝下)程度、1.0m未満までいくと床上浸水(大人の腰)程度としています。
安全に避難するための鉄則
・いざというときに安全に避難できるよう、安全な避難場所(災害時避難所等)や避難経路を普段から確認しておきましょう。
・安全に避難するためには、正確な災害情報(テレビ・ラジオ・SNS・市町村からのアナウンス等)や警戒レベルを把握しておきましょう。
・防災グッズを用意しましょう。3日分を必要最低限として、大規模な災害によって復旧が長引く事態も想定して、余裕をもって1週間分の防災グッズを確保しておくと安心ですね。
以下は、大阪府大阪市の非常持ち出し品チェックリストです。日本赤十字社や多くの自治体がホームページなどで確認できます。お住まいの市のホームページにも掲載されているかと思いますので、ぜひ、参考にして備蓄しておきましょう。
なお、様々なメーカーから、防災セットが販売されています。何を用意したらいいか分からない時は防災セットを購入することをオススメします。
まとめ
ハザードマップは安全に避難する上での予測地図です。あくまでも、地形的に見て、ここは被害が起きるのではないか?という目安のすぎません。場合によっては想定以上の災害が発生するケースもあります。
災害が多い日本では、絶対安全という地域はないように思います。さらに、気候変動もさらに進み、災害に関するリスクは高まる一方です。ハザードマップを防災対策の1つとして参考にしつつ、居住地の災害リスクを知っておくことはとても重要なことではないでしょうか。
ぜひ、今一度、自分が住んでいる地域のハザードマップを広げて確認しておきましょう。